酒場〜Dandyism Mellow〜


アカペーン:
ふむ。

手抜きマスター:
うむ。

アカペーン:
マスター。おかわり。

手抜きマスター:
もうテーブルにおいてある。

アカペーン:
な、(ぇ
ありがとよ。

手抜きマスター:
もうテーブルにおいてある。

アカペーン:
な、(ぇ

手抜きマスター:
もうテーブルにおいてある。

アカペーン:
な、(ぇ

手抜きマスター:
もう春だな………。

アカペーン:
え、ちょっとまて、なんださっきの!?
なんで三回繰り返したんだ?

手抜きマスター:
知らん。

アカペーン:
いや知らんて……俺も知らんよ。

手抜きマスター:
俺がおかわりを三回おいたら、
お前が三回反応を示したという、
ただそれだけの話だろう……。

アカペーン:
三回おいたの!?
なんで三回置いたんだ?

手抜きマスター:
それを言うならば、
なんでお前も三回反応を示したんだ…。

アカペーン:
いや、マスターがおかわりを三回おいたから
俺も三回反応を示したんだろう…。

手抜きマスター:
一回でいいだろう……。




アカペーン:
それもそうだな…。

手抜きマスター:
うむ。

というかなんだこの不毛な会話は。
不毛というか意味分からんぞ。

アカペーン:
おれにもよくわからん。
というか元はと言えばマスターが
三回おかわりを置いた事が事の発端だろう。

手抜きマスター:
「元はと言えば〜」「〜事の発端」って、
なんかおかしくないか?

アカペーン:
ふむ。気のせいだ。

手抜きマスター:
ふむ。そうか。

アカペーン:
ふむ。うむ。

手抜きマスター:
ふむふむうるせえ。

アカペーン:
なん…だと…




手抜きマスター:
もう春だな……。

アカペーン:
いきなり元の流れに戻ったな。
いや、元の流れなのか?

手抜きマスター:
いや、元の流れなのか?って言われても…
それを言うならば、そもそも「流れ」とはなんだ?

アカペーン:
哲学的だな。

手抜きマスター:
いや全然哲学的じゃないだろう。
ならばお前の「哲学」とはなんだ。

アカペーン:
俺の哲学……俺の哲学か……。
俺の哲学……なんだろう。

手抜きマスター:
お前は日々いかなる事を生き甲斐として
人生を送っているんだ。

アカペーン:
今日の酒場はなんともストイックだな。
そうだな…俺の生き甲斐…。

アカペーン:
俺は常に「暇だ」と思いながら
日々を過ごしているが。

手抜きマスター:
それならば、
それがお前の「生き甲斐」であり、
「哲学」だ……。

アカペーン:
なん…だと…。

アカペーン:
俺の生き甲斐は「暇」だったのか……。

いやな人生だな。

手抜きマスター:
その答えを導き出したのは他でもない、
お前自身だ。「人生」という物は
自分自信にしか分からない物なのだよ……。

アカペーン:
なんか偉く哲学的な事をいってるような素振りだが、
あんまり大したこと言ってないな……。

手抜きマスター:
もうテーブルにおいてある。

アカペーン:
な、(ぇ




手抜きマスター:
もう春だな……。


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