酒場~META MALT'S~
第8回 ~おたより紹介⑥ おたより修羅 ~
手抜きマスター: |
アカペーン: マスター!↑にあるなんか変な奴はなんだ? あとなんかその怖い顔はなんだ。 |
手抜きマスター: BGMだ。 |
アカペーン: 前回のBGMがなんか早くなっただけじゃねーか。 |
手抜きマスター: よく分かったな。さすがは物わかりの早い男と言われた男……。 |
アカペーン: よくわかんねーよ。 あと物わかりの早い男と言われた経験はこれまでに無い。 |
手抜きマスター: 褒められたんだから、素直に喜んどけよ。 |
アカペーン: 褒められたとは思ってないが。 |
手抜きマスター: これは第八回の酒場~META MALT'S~である。 |
アカペーン: うむ。 |
手抜きマスター: うむって何だよ。オタクか。 今回は前回答えられなかった2通と、前回の更新の後に来た1通、合わせて3通のおたよりを紹介していこうと思う。 |
アカペーン: 「うむ」という相槌から、どうしてオタクという言葉が連想されたのか、俺には分からないが、まあおたより紹介へと進んでいこうか。 |
手抜きマスター: 話を進行させる方向に舵を切り出したな。 さすがは物わかりの早い男……とりあえず早速おたよりを読むか。 |
おたよりNo.20 アカペーン君はどんな学生時代を過ごしたのかか気になります。 P.N ( 浦口捏美(24) ) |
手抜きマスター: 今明かされる、奴の真実。 |
アカペーン: なんと。 |
手抜きマスター: なんとって何だよ。お前のことを言っているんだ。 お前の真実を語って欲しい。 |
アカペーン: 俺は過去を振り返らない男だからな。 俺の過去に真実はない。 |
手抜きマスター: 今明かされる、奴の過去。 |
アカペーン: 分かった。話そう。 俺は町の小学校を卒業した後、 町の公立中学校に入学し、そして隣町の高校へ行った。 |
手抜きマスター: そうだったのか。 |
アカペーン: ここまでは普通だ。高校を卒業する三年の春休み、 強盗に襲われ簀巻きにされて海に流されようとしたその時、 別世界へのゲートが開かれた。 |
手抜きマスター: |
アカペーン: こうして今の俺があるのだ。 俺の最終学歴は、幼稚園卒だ。 |
手抜きマスター: なんだそれ。 高校までの下りは、お前の前世の話だったのか。 |
アカペーン: 俺は真実の言葉しか口に出さない。 |
手抜きマスター: さっき『俺の過去に真実はない』って言ってたじゃねーか。 ここまで堂々とくだらない茶番劇を聞かされると、 かえって疑い深くなるな……。 |
アカペーン: 疑っているな?だが、ほら、証拠もあるぞ。 これが、中学の時の俺の卒業写真だ。 |
手抜きマスター: ぐわあああああああああ!!!!! |
アカペーン: どうした。 |
手抜きマスター: お前、なんだこの写真はっ!! 棒人間しかいないじゃないか!! どんな学校だよ! |
アカペーン: 珍しくマスターが息を切らしているな。無表情だが。 担任の先生と校長は棒人間じゃないぞ。 向かって右のニコニコしたおばさんが担任の先生だ。 恐ろしい担任だった…… |
手抜きマスター: おばさんなのか。なんか、会ったことがあるような気もするが、 まあ他人の空似だろう。 というか何でこの二人だけモノクロなんだ。 |
アカペーン: 写真の色あせとかじゃなくて、元々こういう色の人たちだった。 |
手抜きマスター: そうか……お前の隣のやつ、なんで黄色と青なんだよ。 信号機かよ。 |
アカペーン: 実際いつもそいつらとつるんでたから、 「信号機トリオ」とか呼ばれてたな。 |
手抜きマスター: あー……そうか………… 一番下の列、なんでみんな青系なんだよ。 何グラデーションしてるんだよ。手抜きか。 |
アカペーン: 同じ地区だと、同じ苗字の人が集まってるとか、 たまたま苗字と名前が一緒で漢字が違うとか、あるじゃん? それと一緒だよ。 |
手抜きマスター: そういうものなのか……ああ、なんか、 こうも棒人間しかいない世界を目の当たりにすると、 逆に俺たち人間みたいな体つきの奴の方が 異端なように思えてくるな……。 |
アカペーン: 俺のクラスはたまたま棒人間しかいなかったけど、 別に棒人間以外の奴もいたし、異端ってことも無かったぞ。 他民族世界だからな。 |
手抜きマスター: 他民族世界……なんかよくわからんが、まあそうなんだろう。 これ絶対クラス決めた奴がわざと棒人間集めてるだろ。 |
アカペーン: 俺にもこういう時代があったってことだ。 何気にマスターとそういう話ってしないな。 俺もマスターの少年時代とかあんまり詳しく知らないし。 |
手抜きマスター: 過去ばっかり振り返っていても仕方ないしな。 次のおたよりに移ろうか。 |
アカペーン: (無理矢理話を進行させたな……) |
おたよりNo.21 この間旧友に会ったら髭伸ばしてたんだけど、こうして皆大人の階段を登って行くんですね P.N ( 鶴岡 ) |
手抜きマスター: それはあるな。久しぶりーって声かけられて、 一瞬誰だか分からないみたいな。 髭とか髪伸ばしてたり。メガネかけてたり。 |
アカペーン: 今日の酒場は、なんだか懐かしい感じの話が多いな。 さっきの卒業写真じゃないけど、イエローマンと青棒、 元気にしてるかな…… |
手抜きマスター: ぐわあああああああああ!!!!! |
アカペーン: どうした。 |
手抜きマスター: どうしたじゃないよ。 なんだそのとってつけたような無精髭は。 お前、それは本気でやめてくれ。 |
アカペーン: 生えてしまったんだから仕方ないだろう。 |
手抜きマスター: さっきまでツルツルしてたじゃねーか。 いきなりジョリジョリしやがって。 お前の身体なんなんだよ。 |
アカペーン: 棒人間にも、ヒゲが生えるときがあるのだ。 |
手抜きマスター: ただでさえニートの男が、 無精髭なんて生やしていたらお前、 ちょっとシャレにならない感じになるぞ。 |
アカペーン: そういうちょっと怖い話はやめてくれ。 今日は誰にも会わないからと思って、髭剃るの忘れてたんだよ。 |
手抜きマスター: 会ってるじゃねーか。 |
アカペーン: マスターはいつも会ってるし、いいかなーと思って。 |
手抜きマスター: 少しは人の目を気にしろよ。ここは酒場だぞ。 |
えだまめモンスター: ・・・・・・・・・。 |
アカペーン: はっ! えだまめモンスターさん! |
手抜きマスター: こういう事態になるのは大体予想できてたと思うんだが、 お前無精髭生やして汗かいて驚いてると、 なんというか尚更キモいな。 |
えだまめモンスター: アカペーンさん・・・・・・・・。 |
アカペーン: ええだまめモンスターさん、違うんだ、 これはその……。 |
手抜きマスター: 「ええだまめモンスターさん」ってなんか、 「良い(ええ)」だまめのモンスターみたいな。 |
アカペーン: だまめって何だよ。 |
えだまめモンスター: アカペーンさん、髭生やしてるのもワイルドでカッコイイですが、 髭がない方がカワイくて好きです。 |
アカペーン: あっ、はい。 |
えだまめモンスター: アカペーンさん普段ここに来て水しか飲まないし、 ワイルドな人というよりかはちょっと・・・・・・。 |
アカペーン: はい。 もう、それ以上は言わないでください。 |
手抜きマスター: えだまめモンスターくんの、冷静にじわじわと人の心をえぐっていくしゃべり方、俺は結構好きだぞ。 |
えだまめモンスター: ごめんなさい。 そんなつもりじゃなかったんです。 |
アカペーン: 髭を剃りました。 |
手抜きマスター: 早いな。トイレとかで剃れよ。 |
えだまめモンスター: やっぱりいつものアカペーンさんの方が、 アカペーンさんらしくてステキです。 |
アカペーン: 褒められてるのかどうか微妙だが、ありがとう。 |
手抜きマスター: 髭は毎日ちゃんと剃れよ。 豊かな生活はキレイな外見からだからな。 |
アカペーン: マスターも髭生やしてるじゃん。 なんかあれだ、ダリみたいな。 |
手抜きマスター: 俺は整えてるからいいんだよ。 毎朝キッチリ揃えてるんだぞ。 |
えだまめモンスター: ダリ? |
手抜きマスター: 昔いたスペインの芸術家、サルバドール・ダリのことだ。 上に突き上げたとんがった口ひげが印象的だった。 |
えだまめモンスター: 知らなかったです。 |
手抜きマスター: ダリみたいな口ひげを真似したスタイルは、口ひげの世界コンテストでは「ダリ」という名称で分類化されてるんだが、 俺みたいな口ひげは、昔いたドイツ皇帝のヴィルヘルム2世にちなんで「インペリアル(「カイゼル髭」とも)」と呼ばれている。 |
えだまめモンスター: そ、そうなんですか。 口ひげの世界大会なんてあるんですね。 |
アカペーン: 突然マスターの髭うんちくが始まったが、 髭の形にもそんな奥深い男の世界があったとはな。 |
えだまめモンスター: でも、マスターの髭は、格好良くて、ダンディーで、 本当にステキです・・・・・・。 |
アカペーン: まあ髭のないマスターはあんまり想像つかないしな。 でも、昔は髭なんて生やしてなかったんだぜ。俺は知ってる。 (頬赤らめすぎじゃないか?) |
手抜きマスター: それでは、次のおたよりに移ろうか。 |
えだまめモンスター: え? |
アカペーン: んっ? |
おたよりNo.22 マスターってゲーム作れるのか!?(第三回より) |
手抜きマスター: 実はゲームを作れる。 |
えだまめモンスター: マスター!! |
手抜きマスター: これは俺の世を忍ぶ仮の姿だ。 |
アカペーン: これはかつての手抜きマスターの姿! そう、俺はこの姿のことを言ってたんだよ。 というか、こっちが「世を忍ぶ仮の姿」なのか。 |
手抜きマスター: ゲームは趣味人同士の集まりで結構何度か作ったりもした。 今は亡きゲームハード、Te-nu-ki 364……。 |
アカペーン: ゲームハードから作ってたのかよ。 |
えだまめモンスター: マスターの真の姿が、 こんなかわいい生命体だったなんて……。 |
手抜きマスター: 真の姿ではない。 真の姿はこっちだ。 |
えだまめモンスター: あっ、はい。 |
アカペーン: マスターと俺は結構昔からつるんでたんだが、 ある日突然人間になったんだ。 |
手抜きマスター: だからこっちが真の姿っつってんだろ。 |
アカペーン: あ、はい。 (いきなり口悪くなったな……。) |
手抜きマスター: まあ俺の過去のことはどうでもいい。 そんな話をしても、この姿を懐かしーとかって言えるのは アカペーンぐらいしかいないしな。懐古に浸ってはいけない。 |
アカペーン: しかし俺ですら知らないマスターの過去は色々ある。 学歴とか。 |
手抜きマスター: 俺が今この姿をしているのは、 作ったゲーム上に俺が現れる時の俺のグラフィックが これだったからなんだよ。 |
アカペーン: ん?ゲーム上にマスターが? それ、マスターが作ったゲームなんだよな? (なんか今フツーに無視されたな……。) |
手抜きマスター: そうだよ。 |
アカペーン: 作者がゲーム上に登場してくるのか? |
手抜きマスター: そうだ。著者近影だな。 |
アカペーン: …………なんかすごくメタっぽい表現な 気がするんだが…………。 |
手抜きマスター: メタっぽい表現ってなんだよ。 昔のゲームではよく作者が出てきた。 ゲームの隠しボスが作者だったんだ。 |
アカペーン: ……………………。その、なんか、 どうなんだろうそれは。 |
手抜きマスター: これはインディーズゲーム特有の、 なんかそういう伝統だ。 |
アカペーン: やめてくれ。なんか凄く聞いてはいけないことを 聞いてしまったような気がする。 というか、そういう伝統があるのか? |
手抜きマスター: 第二形態もあるぞ。 |
アカペーン: なんだと |
えだまめモンスター: 主人公に立ちふさがる最大のボスが、 マスターだったなんて……。 |
手抜きマスター: 伝統って言ったが、俺たちの作るゲームがそうだっただけで、 別に伝統ではないと思う。 まあでも作者は基本出たがりだからな。 |
手抜きマスター: |
アカペーン: なんでいきなり人の姿に戻ったんだ。 |
手抜きマスター: まあ他にも色々趣味っぽいことは やってた気がするな。ゲーム作り以外にも。 瓶の王冠集めとか。 |
アカペーン: いきなり地味な趣味になったな。 |
えだまめモンスター: マスターの趣味の世界に、 俄然興味が湧いてきました。 |
手抜きマスター: 俺の趣味の話は、 いずれ話す機会があったら話そう。 とりあえず今日の所はこの辺で終わりだ。 |
手抜きマスター: ……というわけで、今日のおたより紹介は以上だ。 |
アカペーン: なんか全体的に懐かしい感じのする回だったな。 |
手抜きマスター: 懐かしいのは基本お前だけだろう。 お前の歴史も、今日初めて知った。 |
アカペーン: 俺は過去を捨てた男。 学歴なんて持たないぞ。俺は幼稚園卒だ。 |
手抜きマスター: 過去に何があったんだよ。 |
えだまめモンスター: マスターの作るゲーム、 どんなジャンルのゲームだったのか、 すごく気になります。 |
手抜きマスター: 色々作ったぞ。RPG、アクション、シューティング…… でも、一番ウケが良かったのはどうぶつの森みたいな奴だったな。 |
えだまめモンスター: どうぶつの森みたいな奴…………。 |
手抜きマスター: それでは、また次回。 |
えだまめモンスター: (どうぶつの森みたいな奴って……?) |
~おわり~