酒場~META MALT'S~

第5回 ~おたより紹介③ おたよりの戦い ~



手抜きマスター:
これは第5回の酒場である。





ガチャ

アカペーン:
こんばんはマスター。


手抜きマスター:
俺の名は手抜きマスター。


アカペーン:
知ってるよ。
お冷やをだしてくれ。


手抜きマスター:
もうテーブルにおいてある。


アカペーン:
な、(ぇ

ありがとよ。




アカペーン:
前回、前々回の酒場は、「刹那のおたより」と題していたが、
刹那要素は全くなかったな。


手抜きマスター:
知らんよ。だいたい刹那要素ってなんだ。
それをいうと、今回の題名「おたよりの戦い」も、
戦い要素があるかどうかあやしいな。


アカペーン:
そう、俺はそのことを言いたかったんだ。
さすが、マスターは俺の意志をしっかりと読みとってくれる。


手抜きマスター:
さすがマスター


アカペーン:
なんだいきなり。


手抜きマスター:
俺の名は手抜きマスター。


アカペーン:
知ってるよ。うっとうしいネタの引っ張り方だな。
はやく、おたより紹介にしゃれこもうぜ。


手抜きマスター:
「しゃれこもうぜ」って、何で妙に馴れ馴れしい語り口調なんだ。
だいたい、俺は別にお前の意志を読みとっていたわけではない。
俺が思ったことをありのままに伝えただけだ。


アカペーン:
今日のマスターは微妙に面倒くさいな……。


手抜きマスター:
まあこの酒場が今こうして第5回を迎えているのは、おたよりが来ていたからだな。本当にありがとうございます。
というわけで、今回は計3通のおたよりを紹介していくぞ。


アカペーン:
なんか知らんが流れ変えてきたな。
とにかく、さっさとおたよりを読み上げていこう。
それでは、どうぞ。


手抜きマスター:
(流れってなんだ……最初からこの流れだろ……
 なんか勝手にアカペーンがおたよりを読み上げ始めたな……
 まあ、いいや)




おたよりNo.08
アガペーンくんは金があったら水以外のモノを注文するの?

               



手抜きマスター:
アガペーンくん。


アカペーン:
俺は「無償の愛」ではない。


アガペー(無償の愛) - Wikpedia


手抜きマスター:
お前はいつになったらこの酒場に金を落としてくれるんだ。
このままだと店が潰れるぞ。


アカペーン:
そんな口ぶりだと、まるで俺がすごい悪いことを
しているようじゃないか。


手抜きマスター:
いやすこしは悪びれろよ。
罪悪感を持てよ。


アカペーン:
「ワルビレロ」って、なんかポケモンの名前みたいだな。


手抜きマスター:
知らねーよ。いやお前ポケモンを知ってるのか。
いやそうじゃなくて、シラを切るなよ。


アカペーン:
いや俺も、金があるときは水以外のモノも注文するぞ。飯とか。
しかし、金がないからなあ……。


手抜きマスター:
お前マジ、もうお前には水と白米しかださん。


アカペーン:
白米は出してくれるのか。ライス、うまいよな。


手抜きマスター:
確かにライスはうまい。お前に白米は高級すぎたな。
もうお前には水と玄米しかださん……って、玄米の方が白米より高級な可能性もあるな。
どうすればいいんだろう。


アカペーン:
いや俺に言われても……
俺は今、ポテトチップスが喰いたい。


手抜きマスター:
怒るぞ。クソジャンクフードジャンキーマンだな。


アカペーン:
言葉遣いが荒いな。無償の愛を持てよ。
俺はクソジャンクフードジャンキーマンじゃない。


手抜きマスター:
お前……無償の愛は何もせずともそこにあるもので、自分から求めるモノではないぞ。俺の中にお前に対する無償の愛はない。
だいたい、「金があったら飯も注文する」って、飯ってなんだよ。


アカペーン:
ハギスとか。


手抜きマスター:
なんでハギスをピンポイントに注文するんだよ。ハギス大好きか。


アカペーン:
いやメニューの飯の欄の一番上の行に書いてあったから。
ハギス以外にも注文するぞ。カレーライスとか。




(※酒場 第3回参照)



手抜きマスター:
「カレーライス」はメニューにないぞ。


えだまめモンスター:
あの・・・。


アカペーン:
こんばんは。
「BAR META MALT'S」の専属メイド、えだまめモンスターさん。


えだまめモンスター:
丁寧な肩書き説明をありがとうございます。
こんばんは、いつもここに来て水しか飲まない男の人、アカペーンさん。


アカペーン:


手抜きマスター:
えだまめモンスターくん、何だね。


えだまめモンスター:
あの、結局この別表(1)って書いてある、
ドリンクのメニューはご用意しないのですか。


手抜きマスター:
うむ。用意したぞ。
これが別表(1)だ。








アカペーン:
うおお


手抜きマスター:
なんだよ。


アカペーン:
別表つくりすぎだろ!異様に種類豊富にしやがって。


手抜きマスター:
ここはBARだからな。


アカペーン:
すげーいっぱいあるな。そして山崎とか照葉樹林とかある感じが、日本的なメニューだな。
ワインとかビールとか別表にまとめるなら、
ウィスキーも別表にまとめた方が良かったんじゃないか?


手抜きマスター:
覚えてる酒の銘柄とウィキペディアを頼りに、
適当に並べてみた説もある。


アカペーン:
酒類が種類豊富なのに、ソフトドリンクの欄のなんと貧弱なことか。
つーか、酒類にも値段書けよ。


手抜きマスター:
こんだけカクテルがあるなら、別に他のソフトドリンクも出そうと思えば出せるな。
まあどのみち、アカペーンくんには関係のない話だ。


えだまめモンスター:
どうしてですか?


手抜きマスター:
こいつ、酒飲めないんすよ。


えだまめモンスター:
何で酒場に来てるんですか?


アカペーン:
えだまめモンスターくんの一言が地味に結構傷つくな。
何を隠そう、俺は下戸なんだ。


手抜きマスター:
飲むと気分が悪くなるそうだ。


えだまめモンスター:
山崎とか照葉樹林とか、お酒やカクテルの知識を持っているような口ぶりでしたから、てっきりお酒を飲む人なんだと思ってました。


手抜きマスター:
耳年増だな。


えだまめモンスター:
何で酒場に来てるんですか?


アカペーン:
その、一言一言で俺の心をずたずたに引き裂いていくのをやめてくれ。俺は酒が飲めないことを自分でも地味に気にしてるんだ。


えだまめモンスター:
ご、ごめんなさい。


手抜きマスター:
まあお酒には体質や好き嫌いがあるから、酒が飲めないこと自体は何も気にする必要はない。酒のヒエラルキー(階層)を強要してくる奴に、ろくな人間はいないからな。


手抜きマスター:
しかし、アカペーンくんは水しか注文しないくせに、いつもこうしてポテチなどをボリボリ喰いながら俺の営業を邪魔してくるので、正直疎ましい存在であることは否定できない。


アカペーン:
ポテチ、うまいよな。(ボリボリ)


手抜きマスター:
その、のりしおで汚れた手でカウンターのテーブルをべたべた触るのをやめろ。殺すぞ。


アカペーン:
マスター、おかわり。


手抜きマスター:
もうテーブルにおいてある。


アカペーン:
な、(ぇ

ありがとよ。


手抜きマスター:
次のおたよりに移ろう。




おたよりNo.09
 これは不幸の手紙です。
10秒以内に必ず29人の人に回さないと死にます。

                   P.N ( デデンネ )



手抜きマスター:
おっ、不幸の手紙だな。


アカペーン:
マスター!はやく29人の人に回すんだ!


手抜きマスター:
10秒以内じゃどうしようもないだろう。
なんで30人とかじゃなくて29人という微妙な数字なんだ。
肉(29)か。


アカペーン:
そういえば、今日は2014年の10月29日。
しかし、この回がサイト上に公開される頃には10月30日になっているであろう。


手抜きマスター:
なんだその現実の月日とリンクさせたライブ感溢れるリアルタイム演出は。
そういう要素はいらない。ここは現実の時空から切り離された非現実空間だ。


アカペーン:
なんでいきなりこの酒場の現実的描写に否定的になるんだ。
とにかく、10秒以内に29人の人に回さないと、死んでしまうぞ。


手抜きマスター:
現実的描写ってなんだよ。
とにかく、俺はこの酒場から離れることはできない。
アカペーン。お前が回せ。


アカペーン:
いや俺には29人も友達がいない。
えだまめモンスターくん、頼んだ。


えだまめモンスター:
え、ど、どうしましょう。
私もこの街に来たばかりで、知り合いなんて誰も……
そうだ、無理ーツさん!無理ーツさんを呼びましょう。
無理ーツさーん!!


無理ーツ:
えだまめモンスターさんの呼び声を聞いて、飛んできました。
なんですか?


えだまめモンスター:
この手紙を、10秒以内に29人の人に回して下さい。
あ、いや、私とアカペーンさんとマスターを抜いたら、26人ですね。


無理ーツ:
うっ!!わ、わかりました。
い、急がねば。早く、早く……
ア、アーラぁ~!


アーラ・クリーム:
はぁ~い!
どうしたの?無理ーツくん。


アカペーン:
あなたは?


無理ーツ:
えっと、僕の彼女です。


アカペーン:
彼女!!


無理ーツ:
この手紙を、誰か……ええと、エリルさんにでも回してきて。


アーラ・クリーム:
分かったわ。

エリルさ~ん!


エリル:
呼びましたか?


アーラ・クリーム:
この手紙を、直近の友達に回してきて。


エリル:
分かりました。

ガールさん、いますか?


CN:Girl:
はーい!
呼んだ?エリルちゃん。




手抜きマスター:
これであと23人だな。


アカペーン:
……これ、29人分回りきるまで、これをやっていくのか?


手抜きマスター:
そういうことになるな。
まあ全員分見届ける必要もないし、次のおたよりにいくか。
10秒以内じゃない点に関してはこの際目を瞑ることにする。




ツリガネムシ:
この不幸の手紙を、
ボルボックスさんの元へ届けに行ってきて下さい。


怪僧ラスプーチン:
わかりましたぞ。

ユスポフ公爵殿~!




アカペーン:
……気がつかないうちに、
なんだかよく分からない事態になっているんだが。


手抜きマスター:
友達の連鎖で、世界が繋がっていく。感動的なことじゃないか。
友達の友達はみな友達だ、世界に広げよう友達の輪!


アカペーン:
次のおたよりに移ろう……。


えだまめモンスター:
それでは、次のおたよりです。





おたよりNo.10
 明日の横コンにここ貸し切りたいんすけどいいっすか?

                   P.N ( 大学生 )



手抜きマスター:
貸し切りか。これは嬉しいおたよりだな。
いいだろう。明日はここがコンパ会場だ。


アカペーン:
お、おい。コンパってなんだ。


手抜きマスター:
ニートの君は知らないかも知れないが、
この世界の大学生にはコンパと呼ばれる風習がある。


アカペーン:
そ、そ、そ、そ、そんな恐ろしい世界の話を俺は知らない。
コンパなんて幻覚だ。マジで恐ろしいからやめろ。


手抜きマスター:
どうした。動揺しすぎだろう。
この男にリア充的概念が導入されると、
とたんに動揺しだす傾向を観測することができる。(説明文)


アカペーン:
こんな、料金設定の高い店でコンパをする必要はどこにもない。
中心市街へ出て、市街のチョウドイイ店を探すんだ。
そうだ、魚民だ。魚民へいこう。


手抜きマスター:
大学生が大勢お見えになるのなら、
飲み放題メニューもご用意しないとな。
6000YENでコース付き飲み放題だ。どうだ、めっちゃ安いだろう。


アカペーン:
いや、高い。
はやく、2000YENで飲み放題のできる店に電話するんだ!!


手抜きマスター:
じゃあ3000YENにしよう。


アカペーン:
なんでいきなりそんな安くすんだよ!適当か!!
とにかく、俺は貸し切りを断固拒否する!!


手抜きマスター:
ここは俺の酒場だ。ここでの全ては俺が決める。
お前に拒否権はない。


アカペーン:
とにかくやめろ!!!!俺は認めんぞ!!
大学生は滅ぶべきなんだ!!


手抜きマスター:
お前、大学生を敵に回すと、あとで恐ろしいことになるぞ。
具体的には、ここにおたよりがこなくなる。


アカペーン:
それは恐ろしいな……。


手抜きマスター:
いや、まあ、うん。
あとお前、さっきとっさに「魚民」という名前を出してたけど、
具体的な店舗名を出すのは控えるんだ。色々と危ないから。


アカペーン:
そ、そうか……それもそうだな……。
じゃあ、○民で……。


手抜きマスター:
二重の意味で捉えられるからもっとやめろ。
○タミはやめろ。インターネット的に。


えだまめモンスター:
明日、ここを貸し切りにするんですか?


手抜きマスター:
うむ。明日は忙しくなるぞ。えだまめくんは早く寝るんだ。


アカペーン:
やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


手抜きマスター:
うるせーな。黙ってポテチでも喰ってろ。
明日はお前この店に来れんぞ。いや、来たら来たで、それはそれで面白そうだからいいけど。


アカペーン:
えだまめモンスターさん!!大学生には気をつけるんだ!!!!セクハラされるぞ!!マジで!!!酒を飲まされるぞおおーーーー!!!!!!!!!!!!!11111


えだまめモンスター:
ひっ!!そ、それは・・・・こわいです・・・・・・。


手抜きマスター:
お前アカペーン、えだまめくんを泣かせたな。
うちのメイドで何を想像したんだ。許さんぞ。


アカペーン:
ごめんなさい。


手抜きマスター:
太字で謝罪してきたな。誠意の謝罪か。


アカペーン:
はい。


手抜きマスター:
あと具体的な店舗名を出すのは控えろ。
○民はやめろ。


アカペーン:
その話はさっきしただろう。




アカペーン:
つーか今更だが、横コンってなんだ?
横浜の街コンか?


手抜きマスター:
なんで横浜なんだ。ここは横浜だったのか。
学部・学科をまたいでの飲み会を、横コンというそうだ。


アカペーン:
そうか……。

マスター、おかわり。


手抜きマスター:
お前話の相づちがわりに水を要求するのやめろ。
もうテーブルにおいてある。


アカペーン:
な、(ぇ

ありがとよ。







手抜きマスター:
というわけで、おたよりの紹介は以上だ。


アカペーン:
戦いの夜だったな。


手抜きマスター:
別に戦ってないだろう。
とにかく、明日はここを貸し切りにするぞ。


アカペーン:
マジで貸し切りにするのか……。
さよなら、マスター。お前の出す水、うまかったぜ……。


手抜きマスター:
そんな今生の別れみたいに切り出されても困る。
また明後日くればいいだろ。


アカペーン:
自分でいっててなんだけど、今生の別れに出てくる台詞が
「お前の水、うまかったぜ……。」だというのも、何か切ないものがあるな。


手抜きマスター:
自分で言うなよ。


えだまめモンスター:
グスッ・・・私はもう寝ます。
おやすみなさい・・・。


アカペーン:
おやすみなさい。
さっきのはホントにごめん。


手抜きマスター:
おやすみなさい。





ウスベキスタン:
それではこの不幸の手紙を、
あなたの隣国のオーストリアに回してきてください。


リヒテンシュタイン:
承りました。

二重内陸国同士、互いに仲良くしていきましょうぞ。


アカペーン:
まだ続いてたのか……。
これもう、29人(人?)以上回ってきてるだろ。


手抜きマスター:
不幸の手紙が新たな外交戦略に展開しつつあるな。

それでは、また次回。







~おわり~


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